シニア期に起こる変化と気を付けるべきこと3選

ワンちゃんは、大型犬で6・7歳ころから、小型犬では10歳ころからがシニア期、ネコちゃんでは11歳ころからシニア期に入ると言われています。

寿命が延びていることから、シニアの時期が長くなってきています。

個体差はありますが、どの子も少しずつ老化現象が表れたり、できないことが増えてきたりします。

少しでも長く健康で快適に暮らせるように、シニア期を迎えた時の変化や、シニア期に気を付けるべきことを、項目ごとに3つご紹介します。

シニア期の変化

シニア期になると、見た目や体内、そして行動でも変化が生じ始めます。

・見た目の変化

目が濁ってくる、皮膚のハリがなくなる、被毛にツヤがなくなる、白髪が生えてくる、太ってくるもしくは痩せてくる、口臭が出てくるなど

・体内の変化

視覚や聴覚の衰え、筋力の低下、エネルギー代謝の低下、関節痛などの増加、免疫力の低下など

・行動の変化

睡眠時間が増える、段差を嫌がる・つまずく、散歩中に歩かなくなる(行きたがらなくなる)、食欲の低下、声を掛けたときの反応が鈍くなる、粗相する

食事で気を付けること

シニア期になると基礎代謝や運動量が減り始めるため、太りやすくなる傾向にあります

そのため、今まで食べていたフードよりも、ローカロリーのものを選ぶなどの工夫が必要です。

太ってしまうと、関節や心臓などに負担をかけてしまうので、体重管理が成犬期よりもさらに重要になってきます。

さらに、年齢を重ねると、筋力も低下するため、腸の動きが悪くなってきます。そのため、下痢や便秘を起こしやすくなることもあります

シニア犬・シニア猫用のドッグフードはたくさん販売されているので、切り替えていくと良いでしょう。

与えるフードのポイントを以下にまとめます。

・高タンパクで低カロリーであること

・関節の健康維持のため、グルコサミンやコンドロイチンが配合されている

・脳の健康維持のためDHAやEPAが摂取できる

・腸の健康維持のため、乳酸菌や麹を含んでいるもの

これらすべてを網羅しているフードを探すのは難しいので、フードローテーションを取り入れたり、サプリメントを使用したりするなど、工夫をして摂取できるようにするのがおススメです。

散歩や室内遊びで気を付けること

ワンちゃんの場合、散歩でも変化が起こるようになります。

体力が低下するにつれ、散歩に行きたがらなかったり、途中で疲れて座り込んでしまったり、散歩の距離が短くなったりと、変化が表れてきます。

そういった兆候が表れはじめたら、無理はさせず、ワンちゃんのペースに合わせて散歩をするようにしましょう。

それまで平気だった階段があるコースや坂道も、ワンちゃんにとって辛いコースになり始めているかもしれません。

散歩コースはできるだけ、平坦で車や自転車などの往来が少ない道を選ぶと安心です。

また、散歩に行きたがらない場合は、外に出るだけでも、室内にはない刺激に触れることができます

近くの公園まで車やカート、抱っこなどワンちゃんの体力を使わない方法で移動し、公園の中を少し歩くなど、無理をせずに、外の刺激に触れられる方法を選ぶのも選択肢のひとつです。

また、猫ちゃんの場合、筋力の低下などに伴い、高いところから落下してケガをする可能性などが高くなります

室内での事故を防ぐため、キャットタワーなど高いところの足場を取り払うなど、無理のない範囲の高さに設置しなおすのがおススメです。

適度な運動は筋力を維持や、脳の健康維持につながるので、継続して行いましょう。

室内環境で気を付けること

視覚や筋力が低下してくると、トイレの失敗や、ものにぶつかるといった、今までにはなかったことが起こるようになります。

なにより愛犬や愛猫がリラックスして過ごせるような環境づくりを心がけましょう。

温度変化に適応しづらくもなるので、快適な温度を保つことも重要です。

とはいえ、突然大きく環境を変化させるととまどってしまい、ストレスを感じてしまうことも。

シニア期になって、急に環境を変化させないため、「リラックスできる居場所とトイレを近くする」「ソファーにスロープを設置する」など、愛犬や愛猫が小さいころからできることは、迎え入れた時からその状態にしておくとベストです。

フローリングの場合、滑りやすく、関節をいためやすいためカーペットをしくと良いです。

また、家具の角やコードなど今までは障害物になっていなかったものも、障害物になってきます。

ぶつかると危ないものにはカバーやクッションを付ける、コードは壁を這わせるなど工夫をする必要があります。

移動できるものは、愛犬愛猫が入らない部屋や届かない場所に移動しておくと安心です。

老化と認知症

老化で起こる変化と認知症の初期症状は似通っているものも多いです。

反応の鈍さ、睡眠時間が長くなる、食欲の変化、粗相などはどちらにも起こりえるものだといえます。

老化だと思っていたら、実は認知症ということもありますので、日々の変化に気を配り、サインを見つけやすい状況を作っておくことが大切です。

幸せなシニア期を過ごせるように

愛犬や愛猫が年を重ねていく中で、寂しさを感じるときもあると思います。

少しでも健康寿命を延ばせるように、名前を呼んだり、体を触ったり、普段からコミュニケーションをとりましょう。

そうすることで、いち早く変化や異常を見つけることができます。

シニア期に入ると、それまでよりお世話をする機会がふえるかもしれませんが、その分絆も深まっていきます。 病気にもかかりやすくなる時期なので、定期的に健康診断をうけるなど、愛犬や愛猫が幸せな毎日を過ごせるように様々な環境を整えていきましょう。

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